西武岸の顔に安堵(あんど)感がにじんだ。7回を1失点にまとめ、4月5日以来、3カ月ぶりの3勝目。「北海道のことを考えると、早い段階で勝ててよかった」とうなずいた。

 右足内転筋痛での離脱後、2戦目の先発となった6月27日の日本ハム戦(札幌ドーム)。自らの悪送球も絡んで自己ワーストタイの8失点を喫した。悔しさを抑え込み、投球内容を回顧。不安定だった要因は下半身の粘りの無さだった。「下が粘れていないな、と感じたし、自分にムカついていたのもあったので」。

 3日後の同30日。コボスタ宮城の階段を黙々と走り込んだ。「初めてやりました。投手はやっぱり走らないとダメですね」。ダッシュの量も増やし、下半身を徹底的にいじめ抜いた。

 原点回帰の成果はしっかりと表れた。7回2死二塁で投げ込んだ、この日最後の118球目に、最速とわずか1キロ差の146キロをマーク。最後まで球威は落ちなかった。それでも「余力があった分、球数を減らして少しでも長いイニングを投げることが課題」と反省も忘れなかった。先発に白星がついたのは6月19日以来。「打線が打ってくれるので、先発がゲームをしっかりつくればチームは勝てると思う」。心強いエースが戻ってきた。【佐竹実】