アイタタタタ、ひでぶぅな連勝ストップに、戻ってきた甲子園で必勝を誓っていた金本監督も肩を落とした。心配なのは、先発起用した5番ゴメスの不振。7回2死一、二塁で甘い直球系を2度打ち損じ、最後は低め変化球に空振り三振に倒れるなど、4打数無安打で2三振だ。12日の中日戦を最後に打点を忘れた助っ人大砲。お前はもう…なんてシャレにならないぞ。

 ゴメス、打ってくれ、1発出れば同点だ…。だが超満員のファンの願いもむなしく、終戦を告げる飛球が右翼に上がった。それも秋吉の145キロ真っすぐに詰まらされ、打った瞬間から残念な当たりだった。2点を追う9回2死一塁。最後の打者ゴメスが元気なく首をひねった姿を、金本監督も残念がった。

 「調子が上がってきそうで、上がってこない。彼が打ってくれたら、かなり違うと思うけどね」

 好調原口をベンチに回し、ゴメスは7試合ぶりに5番の中軸に上げた。前日最終打席で8打席ぶりのヒットを放ち、今季7打数3安打で1本塁打と得意にしていたデイビーズとの相性も踏まえた起用だった。だが高山と福留の連続適時打で2点差に迫った5回は、力のない遊ゴロで流れを寸断。松岡を攻めた7回の得点圏もボール球のスライダーを振らされて三振し、甲子園にため息が充満した。

 DeNAに0・5ゲーム差に迫る4連勝で、甲子園に26日ぶりに帰ってきた。「夏休みも最後だし地元のファンのためにも」と必勝を誓った金本監督のタクトに応え、初回以外は毎回塁上を賑わした。だが、5点ビハインドも重かったが、ここぞの好機であと1本が出ず。監督も「今日はそういう試合だったね」と残念がったが、その象徴がゴメスになってしまった。

 不振でここ11試合中、2度の欠場を余儀なくされ、出場9試合も30打数3安打の打率1割で打点0。打ちたい気持ちが焦りにつながり、片岡打撃コーチも「前を追いかける形が増えてきた」と悪循環を指摘する。だがこの男が打たずして、世紀末覇者にならずして、Aクラス浮上への視界も開けない。無言の主砲に代わり、金本監督が力を込めた。「ビジターで4連勝した勢いそのままにと思ったけど、甲子園で見せられなかったのが残念。明日、甲子園のファンの前で良い試合をして勝てるように。それだけです」。今日27日は左腕石川が先発だが、この状態ではスタメンも微妙。だが出番が減っても結果を出していくしかない。ゴメスよ、目覚めてくれ。秘孔(ひこう)があるなら、突いてもいい。救世主になってくれ。【松井清員】