いよいよパ・リーグ2強のマッチレースが最終章を迎える。ソフトバンク、日本ハムはともに17日からの3連戦を終えると21、22日には最後の直接対決。日刊スポーツでは、密着ドキュメント「勝つのはどっちだ!?」と題し、頂上決戦までの両球団の舞台裏をお届けする。

【ソフトバンク】工藤監督「体のケア」ナインに緊急号令

 午前11時に組まれた円陣で、工藤監督は2歩、3歩と前に出た。ヤフオクドームに声が響く。「これから先、ケガをしてもらったら困る。大事な試合が続く。短い時間でもいいので、トレーナー室にいって、体をチェックしてください」。指揮官の号令から全体練習が始まった。ペナントレースも残り13試合。「自分では気づかないこともある。見てもらうだけでも違う。若い人は『大丈夫です』と言いがちになるしね」。満身創痍(そうい)の選手もいるチーム状況で、これ以上、離脱者は増やせない。だから緊急の「メディカルチェック」をナインに呼びかけた。

 12日には仙台で決起集会を行い松田の熱男コールで締めた。15日から2日間、試合がなく、選手は気持ちをリセットした。まずはオリックスとの3連戦。そして日本ハムと直接対決。チームが輪を作って最終局面の幕開けを待った。

【日本ハム】レアード、貴重な休日も英語先生役を快諾

 日本ハムの「すし男」ことレアードは、頂上決戦まであと5日と迫った16日、小学生と陽気に「すしポーズ」を決めていた。北海道・北広島市内にある双葉小学校を訪問。外国語指導助手として、6年生の児童66人を相手に英語の授業に参加した。「クラスに入った瞬間の生徒のリアクションを見て驚きました」。サプライズでの登場に泣きだす子もいた。「行ってみたい外国」をテーマに、教材を使いながら楽しく英会話をレクチャーした。

 首位ソフトバンクと激しすぎるデッドヒートの中、シーズン終盤の貴重な休日。異例の時期のオファーだったが、レアードは子どもらのために先生役を快諾したという。前日15日は最下位オリックスに連敗したが「違う空気を吸えてリフレッシュした」。天下分け目の大一番が迫るが、来日2年目の頼れる助っ人もスタイルは変わらない。