中日が、DeNAからFA宣言した山口俊投手(29)に対し、契約年数で5年規模、総額10億円を超える大型契約を提示していることが29日、分かった。一騎打ちの様相となった巨人は、交渉解禁日の11日の段階では3年6億円を提示したとみられ、その後、条件の見直しもしている模様。中日の条件は、引けを取らない可能性がある。

 本気だった。中日は早くから山口の動向を調査。FA宣言した直後から水面下で調査を重ねてきた。公開で交渉した巨人とは対照的な動きだった。しかも、巨人の提示したとされる3年契約を、大きく上回る5年規模を用意しているとみられる。球団は交渉の事実を公表しない方針だったが、森監督は26日のファンフェスタでもファンを前に「まだチャンスはあるのでは」とオファーを認め、交渉が継続中であることを明かしていた。

 4年連続Bクラスで今季は19年ぶりの最下位。新監督のもと逆襲を誓う来季に向けて、まず今季FA権を取得した平田と5年、大島とは3年の、合わせて10億円を超える大型契約を結び、ダブル残留を実現させた。新外国人のアレックス・ゲレーロ内野手(30=元ドジャース)を推定年俸1億5000万円プラス出来高払いで獲得し、さらにメジャー級の外国人投手1~2人を獲得予定。森監督が「100点」と言うドラフトも含めて、万全の補強を進めてきた。手綱を緩めるどころか、山口にも最大級の提示で獲得を狙っていた。

 過去に自主トレを共にしたことがある浅尾ら、中日には親交の深い選手が数多い。マウンドの形状や、広さなどから「投手有利」とされるナゴヤドームで、山口は今季2試合登板して2勝、防御率0・55と相性抜群だ。

 この日、西山球団代表は「待つだけです。大事な決断になると思うので、じっくり考えていただければいい」と初めてオファーを認めるような発言をした。自信の表れか、それとも-。吉報を信じて待っている。(金額は推定)