阪神ドラフト2位の小野泰己投手(22=富士大)が開幕ローテーション入りへ「最終テスト」に臨む。今日14日オリックス戦で先発予定。前回5日広島戦は3回を7安打4失点とプロの洗礼を浴びた。開幕ローテーションは着々と固まりつつあり、キャンプで猛アピールに成功した若き右腕にとって正念場のマウンドになる。

 2次ラウンド突破を目指す侍ジャパンも踏ん張りどころだが、虎のローテーション争いも譲れない勝負どころを迎えた。13日、甲子園で投手練習に参加した小野は先輩たちと一緒にキャッチボールやショートダッシュで調整。ピリッと張り詰めた空気をルーキーも感じ取っていた。

 「とにかく結果です。目の前の打者をしっかりと抑えたい。力みのないフォームで質のいいボールを投げたい」

 結果を残すしか生き残るすべはない。キャンプの紅白戦で自己最速153キロをマークするなど、一気に先発ローテーション候補に躍り出た。ところが初の対外試合となった5日広島戦は3回を7安打4失点。甲子園で苦しんだ。その後は中8日の登板間隔が空いたが、「体の開きを意識して投げてきた」と、2度ブルペン入りするなどフォームを見つめ直した。

 最後まで勝負の行方は分からない。先発枠は侍ジャパンの藤浪にメッセンジャー、能見、岩貞の4本柱は不動。さらに実戦15イニングで自責0の秋山、調子を上げてきた昨季4勝の青柳、経験のある岩田、期待の横山とキャンプから脱落者はいない。

 今日14日からのオリックス2連戦は小野と秋山が先発する。教育リーグ・中日2連戦(ナゴヤ球場)は岩田、青柳が先発。候補者が大阪と名古屋に分かれて、同日バトル。開幕ローテーションの編成に、大きな判断材料になる。

 競争にさらされる小野にとって、発奮するシーンがあった。前日12日に日本対オランダをテレビ観戦。果敢に直球を投げ込む侍ジャパンの則本の姿に感化された。「ピンチの場面でも自信のある直球を投げ込める。いずれはそういう投手になりたい」。オリックス戦は、自身初のナイター。キューバとの大一番を迎える侍ジャパンと同じ時間帯に試合を迎える。阪神では14年岩崎以来となるルーキーの開幕ローテ入りへ。小野が運命のマウンドに向かう。【桝井聡】