楽天釜田佳直投手(23)が今季初勝利を目指す。今日14日の日本ハム戦での先発に向け13日、Koboパーク宮城でランニングやキャッチボールなど最終調整を行った。今季初登板だった5日のソフトバンク戦では、4回7失点と初陣を飾れなかっただけに「チャンスをもらったつもりで投げたい」と意欲を見せた。現在7勝2敗で首位を走るチームの勢いを、釜田の快投でさらに加速させる。

 迷わず、自分を信じて速球を投げ込む。日本ハム戦を前に、釜田は自身の投球スタイルをはっきりと言葉にした。「自分のスタイルは、持ち味のストレートをしっかり投げること。それが通用しなくなったらこの世界では終わりなので、しっかり出していきたい」。相手打線は中田、大谷ら主力を欠くが「若い選手が多く、勢いに乗ったら怖い。1人1人丁寧に投げたいけど、大胆に攻める」と油断はない。

 前回は、慎重になりすぎたあまり、本来の自分を見失った。今季初登板となった、5日のソフトバンク戦。初回をわずか6球で無失点に抑え、最高の立ち上がりを見せたが、2回からマウンドを降りる4回まで7点を献上した。「初めての試合で『やってやる』と思っていたけど、試合の入りが慎重になりすぎた。色気というか、いけるかな? という感じだった」。反省があるからこそ「次は長いイニングを投げるとかを考えず、去年のよかった時期のようにしっかり腕を振って投げたい」と誓う。

 今季初勝利への意欲の半面、プレッシャーも感じている。親交が深い則本と辛島は、今季初先発で勝利した。自身の登板直後、釜田は「自主トレを一緒にやっている先発ピッチャーで勝っていないの、僕だけなんですよね…」と漏らした。好調のチームに追いつけていない現状を嘆くが、今は「シーズンでの勝負ですから。最後にたくさん勝っていればいい」と前を向く。

 チームは現在首位を走る。「1週間前に自分が連勝を止めてしまっても、チームは明るかったし、調子もいい。そこに乗っていきたい」。釜田のパフォーマンスが、楽天をさらに上昇させる。【田口元義】