サヨナラを呼び込む快投だった。同点の9回、3番手でマウンドに上がると、先頭の若月を速球で二飛に打ち取り、小島の投前へのセーフティーバントを難なくさばいた。最後は大城を右飛に仕留め、わずか7球。完璧なリリーフだった。この日は、決め球のフォークがブルペンから高めに浮いていたため、速球とスライダーのみで勝負。「(バッテリーを組んだ)細川さんがブルペンでも受けてくれていたので、うまくリードしてくれたんだと思う」と久保が言えば、細川も「先にボールを見ていた分、調子がわかりやすかった」。共同作業でオリックス打線を封じた。

 プロ15年目。巨人時代はクローザーで優勝に貢献し、DeNAでは戦力外を受けた。酸いも甘いも知るベテランは「今が一番、野球をやっていて楽しい。こんなに笑顔でやれていることは今までない」としみじみ語る。勝ちパターンに欠かせない存在となった久保に、森山投手コーチは「福山、松井裕を休ませたい試合で、久保が頑張ってくれる。感謝している」と最敬礼する。25日からはソフトバンクとの首位攻防戦。両リーグ最速で貯金を30とした楽天が、このまま突っ走る。【田口元義】