巨人菅野智之の前に中日打線のバットがクルクル回った。2回1死の福田から7者連続三振。7回の1死二、三塁も福田から4者連続三振。13三振がすべて空振りで、150キロを超す速球と緩急をつけたスライダーに手玉に取られた。「いつものことだよ。打てないときもあるだろう。相手が菅野君だし、そう簡単にはいかない」と、森監督はため息をついた。

 土井打撃コーチも肩を落とした。「(菅野は)すごい投手だ。チャンスで1点をもぎ取らないと。(7回無死二、三塁で)外野フライが1本でも出れば…。惑わすような高さに球が来て、追い込まれてから引っかかる。それを辛抱できれば、自分のカウントに持ち込めるんだが。次にやり返します」と、最後の言葉に力を込めるのが精いっぱいだった。

 先発小笠原慎之介投手は、昨年8月5日の巨人戦(東京ドーム)以来となる東海大相模の先輩菅野との直接対決。前回は自身が4回途中KO、先輩が8回1失点でリベンジを期してマウンドに上がったが、7回3失点で連敗。「(菅野さんに)投げ勝つのはまだ早い。1試合ではなく、1年を通じて判断してほしい」と、話した。「(小笠原と菅野の年の差は)いくつだよ。開幕投手を任せたんだから、ここを乗り越えてほしい」と、森監督はエース候補生の脱皮を期待。「明日(12日)から、まだ2試合あるんだから」と、気持ちを切り替えての出直しを口にした。