阪神小野泰己投手(24)、高橋遥人投手(22)、才木浩人投手(19)の“若虎三銃士”が6日、日本代表候補にリストアップされた。侍ジャパンの稲葉監督(45)が甲子園での練習を視察し、「気になる」と3投手の名前を挙げて今後の成長を期待。金本知憲監督(50)も「楽しみな投手がいっぱいいますよ」と推薦したことを明かした。公式戦でアピールを重ね、20年東京五輪での日の丸メンバー入りが大きな目標になった。

 金本監督とフリー打撃を見守る稲葉監督の視線は、奥側の投手陣へ向いた。視察を予定していたオリックス戦は、雨で中止が決定。室内練習場で投手陣のキャッチボールを見届けた侍の指揮官は、3人の若虎への大きな期待を明かした。

 稲葉監督 阪神も若くていいピッチャーがドンドン出てきている。そういう話もさせてもらった。才木くん、小野投手。高橋遥人。気になるので(金本)監督と話をさせてもらった。

 3投手ともまだ1、2年目ながら今季先発で白星を挙げている将来のエース候補。稲葉監督は投手を選出する上で大事にすることについて、「強いボールが必要と思っている。外国人相手には特に」と表現。“若虎三銃士”は150キロ超の直球を武器にしており、指揮官の狙いに合致する。

 小野は新人の昨季、デビューから12戦連続勝ち星がなかった。だが今季は開幕からローテーションの一角を担って3勝をマーク。5月26日の巨人戦(甲子園)では自己最速の154キロをマークするなど球威も上がり、安定感を増している。

 さらに、稲葉監督は「特殊球、これという決め球を持っているピッチャーはひとつの目安、大事なところかと思っている」とも明かした。剛球だけでなく、切れ味鋭いスライダーにも注目されているのが高橋遥だ。4月11日広島戦(甲子園)で7回2安打無失点の力投を見せて、プロ初勝利。新人投手が甲子園でプロ初登板初先発で勝ち星をあげるのは59年村山実以来59年ぶりの快挙だった。春季キャンプ目前に、ブルペン投球を見た金本監督に「あれ、打てないよ」とまで言わせた逸材が、プロの世界で着々と成長している。5月30日には、ソフトバンク柳田からはスライダーで空振り三振を奪ったばかり。高卒2年目の才木は、まだ19歳。5月27日巨人戦(甲子園)に先発して6回無失点の好投を見せ、プロ初勝利をマーク。発展途上でノビシロがある。

 金本監督は「楽しみな投手がいっぱいいますよ」と推薦したことも明かした。公式戦でのアピールを続けて稲葉ジャパンに入り、20年の東京五輪で日の丸を胸に。若虎三銃士に新たな励みができた。【真柴健】