侍の4番候補は広島にもいるぞ!! 鈴木誠也外野手(24)がDeNA戦(福山)で満塁弾を放った。2本の二塁打を含め、オープン戦初の猛打賞。大阪で19年の侍JAPANが初陣を迎えた日に、東京オリンピック(五輪)の4番候補が力強く存在感を示した。まずは広島打線をけん引する不動の4番となり、2020の中軸を目指す。

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逆風をものともしない力強い打球は、両翼90メートルの福山市民球場の左翼芝生席で弾んだ。4回、カウント2-1から鈴木は、DeNA中後の真っすぐを強振。この日3本目となる長打がオープン戦2号グランドスラムとなった。「ギリギリでしたけど入って良かった。チームもいい状態なので、いい雰囲気のまま戦っていきたい」。4番の満塁弾はチームを大勝に導くとともに、大阪で19年初戦を迎えた侍の稲葉監督に、来年の東京五輪4番候補として存在感を示す1発となった。

有言実行。今年の鈴木は目標をはっきりと口にする。自主トレ時には「打点王」と珍しく具体的な目標を挙げ、春季キャンプでは稲葉監督から直々に期待された日本の4番への意欲も言葉にした。「筒香さんであったり、4番でもっと活躍している選手がたくさんいるので、その人たちに負けないように成績を出して、みんなに認めてもらって4番を打ちたい」。広島の4番としての自覚の表れであり、日本の4番となる意思表示でもあった。

春季キャンプから長さを1・4センチ短く新調したバットの感覚も良くなり、調整も順調だ。2回。右翼線に落ちた当たりで一気に一塁を蹴り、最後は二塁へ滑り込んだ。「シーズンでもオープン戦でも変わらない。“普通”だと思います」。2回の守備でも倉本の右翼フェンス直撃の打球に二塁へのダイレクト送球。今年初猛打賞とした打撃だけでなく、走守でも、17年に骨折して手術した右足関節のボルトを抜いた昨年11月の再手術からの全快をアピールした。

シーズンに入っても、広島の打順は試行錯誤が続きそうだ。だが「4番鈴木」は不動。東出打撃コーチが「ケガしか心配していない」と言えば、緒方監督も「全然問題ない」と全幅の信頼を寄せる。侍の4番を任されるためにも、まずは広島のリーグ4連覇を目指してバットを振る。【前原淳】