第10回全日本少年春季軟式野球大会は21日に草薙球場で開会式を行い、22日に県内各地で1回戦が始まる。4年連続5度目の出場となる東海大静岡翔洋中は、1番吉田伊織外野手(3年)を中心とした強力打線で全国の強豪校に立ち向かう。初出場の浜松開誠館中は、主将の鈴木悠聖捕手(3年)が強いリーダーシップを発揮し、8強入りを目指す。【河合萌彦】

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東海大静岡翔洋中の吉田は、初めて挑む大舞台に向けて打撃の試行錯誤を繰り返している。「ボールの下をたたいて打球の角度を上げる練習をしています」。さらに全国の好投手の変化球を警戒。練習では、打撃投手にカーブ、スライダーを主に投げさせて打ち込んでいる。「まだ打ち損じが多い。仕上がりとしては50~60%くらいです」。

昨夏の新チーム結成時には4番を任されたが、弓桁義雄監督(55)の「もっと思い切りの良さを持ってほしい」との意向から、昨秋の県新人戦以降は1番に据えられた。それでも「1番も4番も変わらない。走者がいれば本塁にかえす、いなければ出塁するつもりで打席に入っています」と冷静に話した。

先月の県選抜大会では「恐怖の1番打者」として打棒をふるい、14打数8安打。打率5割7分1厘でチームの大会2連覇に貢献した。それでも浮かれる様子はない。「自分の思い描く打撃はあまりできなかった。満足できる当たりは、1回戦(大淵中・吉原北中戦)で、しっかり球を引きつけて逆方向の左に打った長打2本だけでした」。反省の弁が続いた。

昨春の全国大会は不出場。初戦敗退した昨夏の全国大会では、3打数無安打と結果を残せなかった。まもなく迎える大舞台に向け「打率4割は打ちたい。地元開催なので、県代表の誇りを持って優勝を目指します」と力強く宣言した。