ソフトバンクが2年ぶり8度目の交流戦優勝を飾った。1回に福田の先頭打者本塁打を皮切りにエース菅野からいきなり4点を奪った。先発の和田は巨人打線を5回1失点に抑え、小刻みな継投で逃げ切った。

大黒柱の柳田を欠き、交流戦中には守護神森、内野の要今宮も故障で離脱した。3週間きっちり中6日で先発ローテーションを守ったのはエース千賀、高橋礼、大竹の3人。その中で3戦3勝は大竹だけだった。

工藤監督は「交流戦ではホームランがたくさん出た」と話す。パ・リーグで首位争いを繰り広げる楽天相手に3連敗で交流戦に突入した。4、5日と4発ずつ本塁打が飛び出し打線に勢いがつき5連勝。デスパイネ、グラシアルのキューバコンビが打線を引っ張った。

最終決戦で今季初めて二塁を守らせた福田の打力も光った。この交流戦で本塁打は5本を放った。不振の内川も復調のきっかけをつかみ、ベテラン松田宣も数字を残した。捕手の甲斐が打撃面でも貢献した。

工藤監督は「交流戦1位というものはあるが、とにかく3連戦でカード勝ち越しをすること」と常に話していた。阪神、DeNAには1勝1敗1分けと勝ち越せなかったが、11日阪神戦では9回2死から今宮の適時打で追いついた。16日DeNA戦では8回に甲斐のソロで追いついた。負けない強さがあった。

故障者をカバーする若手として投手陣では松本、高橋純のドラフト1位コンビや椎野が奮闘。野手では釜元、川瀬らが、故障者が戻らないうちに何とかアピールしようとした。

工藤監督は「若い選手には、緊張感がある試合を経験することは大きなこと」と話す。今まで1軍をほぼ経験していない選手にとって「交流戦優勝」の自信は、ポストシーズンで必ずプラスとなる。この日でシーズン折り返しとなる72試合を消化。現状のメンバーでも負けないことを証明し、リーグ優勝奪回からの3年連続日本一を狙う。