17日のドラフト会議で日本ハムから育成で指名されたBC新潟の樋口龍之介内野手(25=育成2位)と長谷川凌汰投手(23=育成3位)が25日、ハードオフ新潟内の球団事務所で指名あいさつを受けた。両選手は球団の期待を直接聞き、来季の支配下登録、1軍昇格に向けて決意を新たにした。今後は仮契約後、日本ハムのファン感謝デー(11月24日、札幌ドーム)での来季新入団選手お披露目に臨む。

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表情には安堵(あんど)感が満ちていた。ただ胸の内には強い決意が宿った。日本ハムからの指名のあいさつを受けた後、「もっと頑張らなければと気が引き締まった」と樋口が言うと、長谷川も「身が引き締まる思い」と緊張感を漂わせた。そろって言葉にしたのが「1日でも早く支配下選手登録、1軍入り」の目標だった。

午後1時、伊藤剛スカウト(43)と多田野数人スカウト(39)が新潟の球団事務所を訪れた。“おみやげ”はドラフト会議で使用した関係者用パスに記された栗山英樹監督(58)の直筆メッセージ。「共に天下を!! 夢は正夢」。17日のドラフト会議までは夢であり憧れだった舞台の一員に、これからなる。指揮官のメッセージに、気持ちは実戦モードになった。樋口は対戦したい投手に横浜高の同期、中日の柳裕也投手(25)を、長谷川は抑えたい打者に同じ福井県出身のオリックスの吉田正尚外野手(26)を挙げた。

育成ドラフトながら日本ハムは即戦力として期待する。伊藤スカウトは「樋口君は小柄(168センチ)だが、長打力があり、チーム打撃ができる。(元日本ハムの)小谷野(栄一内野手)のようになってほしい。長谷川君の魅力は150キロの直球。先発、中継ぎ、抑えのどこでもできる」と評価は高かった。

BCリーグを担当する多田野スカウトは「2人とも昨年よりも成長した」。樋口が19本塁打、長谷川が11勝とキャリアハイを記録したことを評価。「会って目を見て、しっかり頑張ろうという気持ちが伝わった」(伊藤スカウト)と前向きさも感じ取っていた。

1月の新人合同自主トレ、2月キャンプインに備える。2人とも12月下旬まで新潟で自主トレをする予定。指名の喜びはなくなった。あるのはいい意味の危機感。「直球だけでなく、変化球も磨かないと」(長谷川)、「この体でもできることを見せる」(樋口)。ともに覚悟を決めた。【斎藤慎一郎】