日本ハム栗山英樹監督(58)が、今季リーグ最多勝の有原航平投手(27)を開幕投手の“大本命”に挙げた。

26日、イベントの表彰で、栗山町と由仁町にあるレストランを訪問。来季の開幕投手について「普通に考えれば有原」とし「『有原航平ここにあり』というのを証明するシーズンだと思っている」と、大エースとしての飛躍を期待した。

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5位からのリベンジ計画で、頭の中はいっぱいだ。日本ハム栗山監督は、20年東京オリンピック(五輪)の影響で例年より早まる来季シーズンへ向け、すでに青写真を描いている。3月20日、敵地で迎える開幕戦は、2季連続リーグ覇者の西武。“山賊退治”の1番手として「普通に考えれば有原だけど、優勝するためには、どうしたらいいか」と、今季リーグ単独トップの15勝を記録した右腕の名前を挙げた。

イベントに参加後、栗山町の自宅に併設する「栗の樹ファーム」で、今季故障者が相次いだ先発陣に思いを巡らせた。昨季10勝を挙げたマルティネスが、開幕前から右前腕を痛めて長期離脱。今季開幕投手を務めた上沢も、6月の交流戦で左ヒザを骨折し戦列を離れた。先発完投が可能な2つの柱を失った中、唯一、開幕からローテーションを守ったのが有原だった。

ルーキーイヤーには新人王を獲得し、16、17年には2年連続で2桁勝利もマーク。大卒5年目の今季は開幕から着実に白星を積み上げて、千賀(ソフトバンク)、山岡(オリックス)との最多勝争いを制した。防御率2・46はリーグ2位。「何かをつかんだと思う。自分のスタイルを、どう作っていくのか。来年は『有原航平ここにあり』を証明するシーズンだと思っている」と、リーグを代表する投手として確固たる地位を築くことを期待した。

この日、球団は先発枠候補の1人として、米大リーグ、タイガースの大型右腕、バーヘイゲンの獲得を発表した。来季開幕投手について「戦術的なことも考えるかもしれない」と含みは持たせたが、絶対的エース育成へ、有原に寄せる思いは大きい。「チームを勝たせてくれたら、それでいい」。本格的な冬を迎える北の大地で、指揮官のつかの間のオフが始まる。【中島宙恵】

○…データ分析で、今季導入した投手起用をブラッシュアップする。栗山監督は「来季はオープナーとショートスターターの違いを、もう少しはっきりさせる」と意気込んだ。クライマックスシリーズを制したソフトバンクや、レイズの戦い方にも注目。今季、先発、第2先発、オープナーとフル回転した加藤や金子に触れ「もっと生かす方法がある」と、最適な起用を模索する。