今オフの楽天-ロッテ間は選手の移動が激しく、一見すると「4対3の大型トレード」が成立したように映る。しかし、その内容を追っていくと実情は違う。

美馬と鈴木は自身の意思で国内FA権を行使し、行き先を選んだ。ハーマンは自由契約。西巻は戦力外通告を受け、ロッテが目を付けた。涌井は一方通行の金銭トレード。純粋な入れ替えは、人的補償の小野-酒居だけだ。

楽天石井GM (人的補償とトレードが)たまたまタイミングが同じくらいになった。まとめてではなく、別で進めていた。

ロッテ松本球団本部長 結果的に4対3のトレードみたいになっただけ。ウチは考えながら本気で補強して、優勝を目指している。楽天さんもそう。ウチと楽天さんが激しい感じになりました。

パ・リーグは現在、西武とソフトバンクが頭ひとつ抜けて強い。楽天とロッテは2強に食らいつくべく、泣きどころを埋めようと補強にまい進した。日本ハムは、オープナーなどの新しい戦略で風穴をあけようともくろむ。オリックスは、出来高含め2年総額1000万ドル(約11億円)という大金を払い、メジャー通算282本塁打の超大物アダム・ジョーンズを獲得。大きな核を据えた。強化の方法論は違えど目標は同じ。来季のパは激しくなる。【久永壮真】