ブレークどころかスターへ駆け上がるかもしれない。西武平良海馬投手(20)は19年シーズン、夏場以降に新星となって台頭した。

7月に初登板を果たすと、メットライフドームで156キロをマーク。釧路での日本ハム戦(8月27日)では球場計測で158キロを記録した。「スピードにこだわりは特にない。出たら、いいなくらい」と意に介さない大物っぷりが、また頼もしかった。

コクワガタが、幸せのクワガタになった。7月に寮の部屋に突然入ってきたクワガタを飼育。時を同じくして、1軍で一気に羽ばたいた。身長173センチ、体重は今季100キロを超えた。大柄な体でかわいがっていた、そのコクワガタは9月に自然界へ返した。「遠征があって世話できなくなるので」。心優しき大男は、高卒2年目で26登板を果たしたが、満足することなく来季を見据えている。

12月に入ると、マリナーズ菊池雄星と自主トレを行うため米国へ向かった。「もっと成長するために練習がしたい」。直球をより生かすため、新球としてチェンジアップ習得にも挑戦する。飽くなき向上心が、伸びしろの大きさを物語る。規格外のスケールには、計り知れないほど可能性が秘められている。【西武担当=栗田成芳】