楽天の沖縄・久米島キャンプは4日、第1クール最終日を迎え、移籍2年目の由規投手(30)が完全復活に向け上々の滑り出しを披露した。

仲里球場で行われている2軍キャンプで、初日、2日目に続き早くも3度目のブルペン入り。125球の熱投で右肩の不安を一掃した。「順調ですね。リハビリで全体練習もできなかった去年とは全然違う。球数も大事ですけど、1球1球の質を高めることを意識している」と表情にも充実感がにじんだ。

ボールを受けた石原は「まだ全力ではないのにキレもいいし、速いだけじゃなく、強さもある。最後も疲れていたはずなのに、いい球が来ていた」。投球時に打席に立った村林も「勢いがあったし速く感じた」と好印象を口にした。

右肩の故障に悩まされ、ヤクルトを戦力外となり一昨年11月に楽天と育成契約。昨年のキャンプでも、順調にリハビリをこなしていたが、3月中旬に左ももを痛め、完治にさらに1カ月を要した。7月28日に支配下登録され、シーズン最終戦で初登板を果たした。昨オフは地元仙台で自主トレを続け、右肩への負担が少ないフォームを模索。始動から重心を低くし、下半身主導で上半身とスムーズに連動する新フォームにたどりついた。「肩の状態も去年よりいい。今年はやっと他の選手とフラットな状態で戦える」と意気込む。

ヤクルト時代にプレーした館山2軍投手コーチの就任も心強い。「自分のいい時も悪い時も知っていますし、ボクにとって強みだと思います」。この日も、体をあおってしまうクセを指摘された。「とにかく1軍で、1試合でも多く投げたい。いい時と悪い時の波をなくし、『1年間通して投げられるぞ』という信頼度を高めていきたい」と熱い決意を胸に勝負の年に臨む。【野上伸悟】