遊撃のレギュラー奪取へ大きなアピール弾となった。大卒4年目の日本ハム石井一成内野手(25)が13日、楽天との練習試合(名護)に2番遊撃で先発フル出場。2点を追う9回先頭の第4打席で、今季対外試合初安打となる右越えソロ本塁打を放った。二塁で開幕戦先発だった昨季に続き、今年は遊撃手で開幕スタメンを勝ちとるべく存在感を示していく。

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手応えは十分だった。高々と上がった石井の打球は、右翼フェンスを越え芝生で弾んだ。「1ボールだったので、真っすぐに狙い球を絞って打ちにいきました。久しぶりに本塁打を打ったのでうれしかったです」。楽天の左腕渡辺佑が投じた内角高めの直球をとらえた豪快な1発だった。

今季初の対外試合となった9日、阪神との練習試合(宜野座)でも同じく2番遊撃で先発したが、4打数無安打と結果が出なかった。この日も3打席目まで凡退が続いていたが「その前の打席(第2打席の投直)もいい感じでとらえられていたので、いつかは出るかと思っていた。ほっとしました」と喜んだ。

昨年の秋季キャンプから小笠原ヘッド兼打撃コーチの教えを実践し、その成果に手応えを感じている。「軸足に(体重を)乗せたものを我慢しながら、ボールに入っていくという動きが少しずつ良い感覚に」。特に意識したのはこれまで下手だと感じていた体重移動と足の使い方。「速いボールに打ち負けないし、緩いボールもなんとか拾っていけて、チャンスが増えてくる」と打席での変化を口にする。同コーチは「自分の中でいい自信にしていけばいいと思うし、このままやっていってもらえれば」と期待した。

昨季は二塁で初の開幕スタメンを勝ち取ったが出場76試合にとどまった。プロ4年目の今季、レギュラー獲得へ必死のアピールを続けている。経験豊富な遊撃手の中島が、左膝に違和感を抱え2軍調整中。まだ実戦出場のめどもたっていない状況で、石井は平沼らほかの候補とレギュラー争奪戦の真っただ中にいる。「まだまだです。アピールできていない部分がある。そこは自分の良さを出してアピールしてレギュラーをとっていきたい」。激しい争いを勝ち抜く意欲は十分だ。【山崎純一】