2年目の初実戦は、収穫のマウンドとなった。日本ハム吉田輝星投手(19)が15日、沖縄・国頭で行われた1、2軍合同の紅白戦に紅組先発で登板した。昨年の初実戦で1発を浴びた大田を抑えるなど、主力打者3人を相手に1回を無安打無失点1奪三振。細かいコントロールこそ課題に挙げたが、直球の最速は148キロを計測。自慢の真っすぐにも手応えを得た。

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先頭の西川を抑え、1死を奪った吉田輝が迎えた打者は大田だった。初球この日最速となる148キロ。外角高めへ満を持して投じた直球を、まんまと振り抜かれた。「またか…みたいな」。打球は右方向へ高々と上がったが、風に押し戻されながら右翼手片岡のグラブに収まった。「あれはホームランですけど」と冗談めかしはしたが、しっかり結果でリベンジした。

昨年、いきなりプロの洗礼を浴びた。2月16日の紅白戦。先発した1回、同じく1死で大田と対戦した。144キロの直球をバックスクリーンへと運ばれ思わず下を向いた。あれから1年。「ボールの強さはよかったと思うけど、(コースが)真ん中くらいだと思う。それは紅白戦で見つかった課題なのでこれからの目標として練習していきたい」と下を向くことなく、前を向いた。大田も「(ボールが)しっかり回転していた」と昨年との違いを口にした。

変化球への手応えもあった。前日のブルペンでも決め球として練習していたフォークで西川から空振り三振を奪った。「そんなに落ちていないですけど、球速差で空振りしたような感じだった。真っすぐがすごく腕が振れていたからそうなったかなと思う」。試合後に栗山監督は「こっちのイメージはまだまだ。だいぶ(状態は)上がってきた。ここからですね」と話した。

この日、先にマウンドに上がったルーキー河野の2奪三振に対し、自身は三振1つにとどまった。「出来れば3つ三振をとりたいと思ってたのですけど」と少し悔しさもみせたが、主力相手に堂々たる投球をみせた。「抑えられたというのもあるけど今日はすごく試合が楽しかった。いろんな球種を試してみたかった部分もあるけど、真っすぐだけに関していえばすごくよかった。上を目指していくこと。優勝の1つのピースになれれば」。この収穫を得て2年目の今年こそ突き進む。【山崎純一】