ヤクルト嶋「気持ち入った」ノムラの教え刻むリード

  • 試合前練習で野村1軍作戦コーチ(奥左)と話すヤクルト嶋(奥右)(撮影・滝沢徹郎)

<練習試合:楽天3-1ヤクルト>◇15日◇沖縄・金武ベースボールスタジアム

天国の野村監督へ-。楽天とヤクルトが15日、沖縄・金武町で練習試合を行った。両軍で監督を務めた野村克也氏が11日に急逝。試合前には両軍が1分間の黙とうをささげ、ユニホームに喪章をつけてプレーした。

楽天の三木肇監督(42)が手堅い野球を実践すれば、ヤクルト高津臣吾監督(51)は秋の大舞台での対戦へ思いをはせた。名将の薫陶を受けた愛弟子たちが、全力で野球に取り組んだ。

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ヤクルト嶋基宏捕手の心に、いろんな思いが交錯した。移籍後、対外試合初出場は昨年まで13年間在籍した楽天戦。両軍を率いた野村克也氏への黙とうもささげて先発マスクをかぶった。「いつも以上に気持ちが入った。(野村氏に)少しでもいいところを見せられたらと思った」と言葉を絞り出した。

熟知した元同僚をマスク越しに観察した。「打者の反応を見る、打者が常に何を考えているのか考えて、1球1球にしっかり根拠を持て」。ノムラの教えを刻み、3イニングをリードした。初回無死満塁のピンチも和田を三振、鈴木を二直併殺で切り抜けた。だが3回に1失点し、チームも敗れた。「勝たないと。何としてでもゼロに抑えたい」。練習試合だから、という意識は皆無。「意識するなという方が無理。こういう戦力が充実したチームを倒さないと上にはいけない」とギラついた。

高津監督にとっても起点の一戦だった。12日のサムスン戦は弔問のために帰京。今キャンプ初采配は若手主体で主力の楽天に挑み、敗れた。試合後は約30分もミーティングの輪が解けなかった。各部門のコーチが振り返り、指揮官が「一生懸命にやっているのは分かっている。ただもう1個上の全力を尽くして欲しい」と締めた。

名将の薫陶を受けた愛弟子たちが両軍の要職を務める。「いろんな感情はあるが、しっかり勝負を意識して、その中でも野村監督の野球も意識しつつ、いい勝負ができたら。日本シリーズで対戦? そうなったら本当に野村監督も喜んでくれると思う」と野村監督が何度も舞った秋空に思いをはせた。【広重竜太郎】