ソフトバンクのキーマンへのインタビュー企画「S15(サァイコー!)な男たち」の今回は、本多雄一内野守備走塁コーチ(35)です。

コーチ1年目の昨シーズン、工藤監督の掲げる「走塁改革」の先頭に立ち、周東らを育てた。2年目となる今季は、二塁手を育て、さらにレベルの高い「走塁改革」の実現を担い、3年ぶりのリーグV奪回へ選手を導く。

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本多コーチの人気は衰えない。主力選手があまりいなかったこともあるが、昨年の秋季キャンプの練習後、サイン攻めにあっているのは選手よりも多い印象を受けた。「ポンチャン!」。親しみのある人柄で、ファンからもそんなニックネームで呼ばれるところからも人気の高さがうかがえる。今キャンプのバレンタイン翌日の15日も、選手に負けないくらい、ファンから両手にいっぱいのチョコレートをもらっていた。

守備と走塁の面で、チーム内の信頼は厚い。「理論派」でもあり「指導」がうまいのだろう。昨年、快足で売り出した周東がオフに高校生相手に野球教室を行い、走塁、盗塁について指導。周東は「ほとんど、本多コーチの教えです」と感謝している。

本多コーチだけ特注で、ユニホームの左足外側の付け根に小さなポケットがついている。常に黒いストップウオッチが入っている。「いつでもタイムが測れるようにね」と屈託のない笑顔で説明する。「プロでもあり、立派な社会人を育てるのが自分の仕事」と言い切る人柄が詰まっている。【浦田由紀夫】