復活を期すベテラン左腕が“孤独のブルペン”でギアを上げた。高知・春野でB班(2軍)で調整中の西武内海哲也投手(37)が今キャンプ初の100球超えの投げ込みを敢行。ブルペンのど真ん中に陣取り、直球、変化球を交えて104球。田原ブルペン捕手のミット音を響かせた。「今日は100球をメドにと思っていた。クリアできて良かった。去年の手術前の実戦よりも全然いい」と手応えだけを強調した。

移籍1年目だった昨年10月に左前腕筋腱(けん)修復手術を受け、プロ16年目で初の1軍登板なしに終わった。3月のオープン戦中に痛みを覚え、周辺筋肉の補強トレーニングでカバーしようとしたが快方には向かわず、メスを入れた。投げ込んで調整するタイプだけに「ずっと痛かった。手術してリハビリして、もう痛みはない。やっと気持ちよく投げられるようになった」と復活への軌道に乗せた。

次クールはフリー打撃に登板する予定。「打者を相手に細かい部分を詰めていく段階に入る」と実戦を想定した投球へとステップアップさせる。さらに、投げ込みで状態を上げて、再びフリー打撃登板へと進む。今キャンプ中の実戦登板は予定にないが「とにかくどんな形でもチームに貢献したい」とシーズンでの1軍復帰を見据える。

2軍本隊は練習試合で、春野球場は残留組だけの練習だった。ブルペンは貸し切り状態。1月の自主トレは広島長野と奄美大島でひっそりと鍛錬を積んだ。“孤独の左腕”が表舞台に舞い戻る。【為田聡史】