3月20日のヤクルト戦で開幕投手を務めることが決まった阪神西勇輝投手(29)が19日、意気込みを明かした。「うれしいことですし、気をもう1度引き締めてチームのために頑張っていきたい。最初から最後までローテーションを守ります」。短い言葉に虎のエースとしての覚悟が表れた。

18日の紅白戦で西勇が実戦初登板を終えた後、矢野燿大監督(51)は開幕投手を任せることを明言した。「西の背中を追っていくというのが、うちの今の投手陣の理想。その姿をしっかり見せてくれている。西に任せたい」。西勇には16日までの前クール期間中に直接伝えられた。移籍1年目の昨季はチームトップの10勝を挙げ、後輩投手たちにもアドバイスを惜しまず送る。申し分ない実績と姿勢で、指揮官から絶大な信頼を寄せられた。

この日は、そつなく投内連係やサインプレーをこなすなど順調にメニューを消化。開幕へ調整を続ける。18日の紅白戦では2本塁打を浴びたが、矢野監督は「任しておいて十分。練習姿勢も中身もしっかりやってくれている。何の心配もしていない」と、少しも信頼が揺らぐことはない。

3月20日、神宮。悲願の優勝へ向け、開幕投手の重要性も理解している。「スタートダッシュはすごくいいこと。やっぱり勝つことがいいし、負けたらいや。なので勝つことに全て意味があると思います」。チームを乗せるためにも、開幕戦は特別大事な一戦だ。昨季は3月29日、同じヤクルトとの開幕戦(京セラドーム大阪)にメッセンジャーが先発。延長11回の激闘の末、代打鳥谷の三塁打と相手暴投でサヨナラ勝ちをもぎ取った。矢野阪神の開幕2年連続白星を導きたい。

西勇にとってオリックス時代の18年以来、2度目の大役。開幕ダッシュを導く勝利をつかみにいく。

▼西勇はヤクルト戦で、オリックス時代から通算7試合に登板して3勝2敗、防御率3・38。神宮では3試合で2勝0敗、防御率2・81の好相性だ。主砲の山田哲に強く、15打数で被安打は単打2本のみで、対戦打率1割3分3厘と圧倒。急成長を遂げた村上には7打数ノーヒットと、主軸を抑え込んでいる。