阪神のドラフト1位・西純矢投手(18=創志学園)が25日、剛球&宝刀スライダーを披露した。高知・安芸の2軍キャンプで、「高校四天王」では一番乗りとなる打撃投手を務めた。

ドラフト2位井上広大外野手(18=履正社)、小幡に計41球を投げ、安打性は2本のみ。直球は145キロを計測した模様で、キレのあるスライダーで井上から空振りを奪った。虎のドラ1右腕が実戦デビューに向け、着実に歩を進めている。

   ◇   ◇   ◇

虎のドラフト1位右腕が、高校四天王の中で最も早く「マウンド」に上がった。プロ入り初めて打撃投手として登板。「緊張したけど、久しぶりにバッターと対戦できてよかったです」。投じた41球のうち37球が直球。グイグイと押し込み、同じルーキーの井上、2年目小幡に対し、8球、ファウルで詰まらせた。「抜け球とかシュート回転のボールがキャッチボールから多かったけど、なくなってきている。(ボールが)指にしっかりかかってきているし、成長できていると思う」と手応えをつかんだ。

球団関係者によると、直球の球速は「145キロは出ていた」という。甲子園や国際大会で披露した剛球は健在。平田2軍監督は「いいね。久しぶりの実戦(形式)だし、ドン! という力のあるボールを投げていた」と絶賛した。

この日は宝刀スライダーも解禁した。井上に投じた10球目は甘く入り、左越え二塁打を許した。それでも14球目に再びスライダーを投げ、空振りを奪った。「自分はスライダーが持ち味。ブルペンではなかなか投げられないし、バッターが立たないと投げられない。空振りが取れてよかったです」と納得の表情を見せた。打席に立った井上も「高校生とは思えないボールだった。本当に重いというか、力強かった」と話す。今季実戦ですでに2本塁打を放った右の大砲候補も、西純のボールに驚きの声を上げた。

1月の新人合同自主トレから順調に練習を重ねている。これで実戦デビューに向けて前進した。打撃投手の自己採点は「50点くらいです」と厳しめだった。その心は? 「あまりいい点数をつけすぎても成長はないと思うので」。目標はあくまで1年目でプロ初勝利。打撃投手登板で浮かれるわけにはいかない。【只松憲】

【西純の打撃投手投球内容<41球、ボール18球、安打性2本>】

▽打者井上 投ゴロ、ボール、見逃しストライク、右飛、二飛、ファウル、三ゴロ

▽打者小幡 ボール、ボール、見逃しストライク、ボール、ボール、見逃しストライク、ボール

▽打者井上 ボール、ボール、左越え二塁打(スライダー)、見逃しストライク、ファウル、ボール、空振り(スライダー)

▽打者小幡 ボール、ボール、ファウル、ファウル、ボール(フォーク)、ボール、ファウル

▽打者井上 ボール、見逃しストライク、ファウル、ボール、右飛、中前打、ボール(カーブ)

▽打者小幡 ボール、中飛、ファウル、二直、ボール、ファウル