「サンデー・マルちゃん」で完全復活だ。相次ぐ故障で昨季を棒に振った日本ハムのニック・マルティネス投手(29)が、8日オリックス戦(京セラドーム大阪)に先発し、6回4安打5奪三振1失点。相手の新助っ人アダム・ジョーンズ外野手(34=Dバックス)を併殺打、見逃し三振に斬った。万全な仕上がりをアピールし、開幕3戦目となる22日西武戦(メットライフドーム)の先発が濃厚となった。

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来日3年目で、最高の状態と言えそうだ。今季最多の77球を投げ、6回4安打1失点にまとめたマルティネスは「(昨年)ケガをする前より(いい投球が)できている。全体的にいい感覚で投げられた」。日曜日の登板に固定され、順調にいけば、開幕カード3戦目となる22日西武戦(メットライフドーム)に先発することが濃厚だ。

メジャー時代に対戦経験のある、オリックスの注目新助っ人ジョーンズに対しては、1回1死一、二塁のピンチで三ゴロ併殺に仕留めた。4回も見逃し三振。いずれも149キロの直球を、内外角いっぱいに投げ分けた。シーズン中何度も対戦することになる難敵に先手を打った形だが、手応えについては「トップ・シークレット」と、いたずらな笑みで報道陣をけむに巻いた。

体のケアに加えて、最新機器の導入で、不安を解消した。「去年は4イニング投げたら腕が張ったけど、今年は張らないんだ」。普段の練習から、腕の動作速度や投球に関するデータを計測する装置を装着し、故障予防に役立てている。また、オフに米国で初めて取り組んだというスローイングプログラムも体にマッチしたようだ。

栗山監督は「マルちゃん(の投球)が一番安心した」と、先発の軸として期待する右腕の仕上がりに、胸をなで下ろした。次回は中6日で15日DeNA戦(札幌ドーム)に登板予定。今季は毎週日曜日に「マルちゃんスマイル」が見られそうだ。【中島宙恵】