八戸学院光星(青森)の主将として昨夏の甲子園8強へ導き、ヤクルトにドラフト6位で入団した武岡龍世内野手(18)が、精力的にルーキーイヤーを過ごしている。

同じヤクルトで、ドラフト1位入団の奥川恭伸投手(18=星稜)とともに、U18日本代表にも選出された3拍子そろった内野手は、今季の目標を「1軍公式戦出場」と掲げている。

2月のキャンプインは、奥川とともに2軍からスタート。プロの高いレベルにもまれながらも、随所に輝きを放っている。2月23日、宮崎・日向で行われた2軍の練習試合では楽天2年目の引地秀一郎投手(19=倉敷商)から満塁弾を放った。これが「プロ初安打」の衝撃デビューとなる。3月24日にもロッテ岩下大輝投手(23)からも先制弾を放つ活躍。高卒ルーキーながらも2本塁打を放ち、長打力をアピールした。3月11日には1軍に帯同しオープン戦(神宮球場・阪神戦)にも途中出場するなど、確かな足どりでプロの階段を上っている。

3月の実戦での打率は2割を切っており、自身もプロの壁は実感しており「ツーシームやカットボールの小さく曲がる変化球のクオリティーが、高校の時とは全然違う。(その対応として)構えたときに力が入らないように、コンパクトにバットを振ることを心がけている」と試行錯誤を重ねながら、課題克服に努めている。

阪神とのオープン戦は途中出場。ホーム神宮のショートを守ったが、悪送球で出塁を許してしまった。それでも、オープン戦に出場した経験値を生かすべく「ここぞという時に、守備でも信頼される選手になりたい」と、巻き返しに意欲を見せる。競争の激しい燕内野陣に、期待のルーキーがアクセントをつける。【佐藤究】