楽天が逆転でオリックスを下し、8月(11日~16日)の西武戦以来、5カードぶり勝ち越しを決めた。これで5球団中、唯一負け越していたオリックスとも5勝5敗1分となり、全チームとタイ成績以上となり、貯金4で3位をキープした。

総力戦でつかんだ勝利だった。直前の雨で試合開始が34分遅れる中、先発の塩見貴洋投手が初回をわずか8球で3者凡退に仕留める好スタート。その裏すぐさま岡島豪郎捕手が2試合連続の先頭安打で出塁すると、2番田中和基外野手が2ランを放つ電光石火の先制劇だった。2回に4安打で逆転を許すも、すぐに浅村栄斗内野手が逆転3ラン。塩見も3回から立ち直り、6回からは安楽智大投手、宋家豪投手、牧田和久投手が1イニングずつを0で抑え踏ん張った。最後はアラン・ブセニッツ投手が1点差に詰め寄られたが逃げ切った。

2試合続けて1点差勝利と勝負強さも出てきた。三木肇監督は「こういう試合で、ブルペンが頑張ってくれるのはありがたいし、心強い。みんなはそれが仕事だと思って意気に感じてやってくれていますけど、昨日、今日と非常にタフですけど頑張ってくれてありがたい」と中継ぎ陣をたたえた。

派手な本塁打に注目が集まる一方で、三木監督がチームの成長を実感したシーンがあった。浅村の3ランの前に、田中が粘って四球を選んだ。「あの四球でベンチが盛り上がったのは大きい。つないでいったところの四球の大きさを、1人1人が共有してこないと力が上がってこない」。地味ながら勝利につながるプレーの価値を強調した。8日からは現在5・5ゲーム差の首位ソフトバンクとの3連戦が控える。ジワリジワリと近づいてみせる。【野上伸悟】