どうしても勝てない。ソフトバンクがロッテの集中打に敗れた。2回に大量5点を献上すると、1点差まで詰め寄った8回にはダメを押される2失点。今季も苦手のロッテとの首位攻防第1ラウンドで黒星を喫し、引き分けをはさんで今季最長の5連敗となった。

昨年2勝10敗と大きく負け越したZOZOマリン。この日は守りで泣き、今季も2勝4敗1分けで呪縛が解けない。1点を先制した直後の2回、先発ムーアがまさかの5失点。二塁手周東が併殺を焦って失策を犯したミスが響いた。ムーアは3回から7回まではわずか1安打と立ち直っただけに、2回はまさに“悪夢”だった。ムーアも「調子は悪くなかった。2回裏の場面で粘らなければいけなかった。3回以降はうまく修正することができただけに悔しい」と振り返った。

周東は汚名返上とばかりに、7回に1点差に迫る左前タイムリーを放った。「エラーでチームに迷惑をかけてしまったので、何でもいいから絶対走者をかえしたかった」。今季25個目の盗塁も決めたが、思いは届かなかった。

もちろん大量ビハインドでも、誰もあきらめなかった。周東だけでなく、ムーアをリードした高谷も3安打で懸命に挽回した。だが初回以外の毎回11安打ももう一押しが足りず、4得点にとどまった。

工藤監督 エラーはするが次を大事にしないといけない。こういう経験が若い人にとっても前を向いてやるためのきっかけにしてほしい。誰でも負けたら悔しい。でもしっかり晴らさないといけない。ここで(悔しさが)出るか出ないかがチームにとって大事かなと思う。

指揮官は猛省と奮起を促した。チームはロッテに対し、4日からのペイペイドーム3連戦で「3タテ」を食らってからの連敗が4に伸び、ゲーム差はわずか1。ナインの意地が試される。【浦田由紀夫】