広島が首位巨人に敗れ、最下位に転落した。

開幕時の守護神からシーズン途中に先発に転向したテイラー・スコット投手(28)が1回に先制点を許すなど、4回4失点。起用に応えられなかった。打線も6試合連続1桁安打、3試合連続適時打なしで追い上げムードを高められず。首位巨人との力の差を見せつけられ、カード負け越しとなった。

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月が替わっても、広島の姿は変わらない。あっさり先制点を許すと、打線は立ち上がりが不安定な巨人サンチェスのスキを突けず、主導権を巨人に渡した。3点を追う7回は無死一、二塁も、相手のミスから1点を奪うのが精いっぱい。8回以降は安打も出なかった。好捕で何度か歓声を上げたスタンドも、最後は大きなため息につつまれた。

佐々岡監督 なかなか乗り切れない。しっかりと勢いづくためには先発から。先に点を取られると後手後手になる。チームの雰囲気も上がってこない。

先制点を取るか、取られるかで、今季の広島は姿を変える。逆転勝利数はリーグ唯一1桁の8度。反発力に欠ける。2軍で好結果を残したわけではない先発スコットでは、援護が必要だった。だが、打線はプレーボールから7球連続ボールのサンチェスを攻略できない。荒れた直球とフォークに手を焼き、機動力も絡められなかった。巨人3連戦は適時打なし。6試合連続1桁安打に終わった。

一方の巨人は今季2点以上先制した試合は1敗。3点以上になれば、1度も負けていない。広島スコットは、2点ビハインドの4回に連続四球から2失点でリミットを超えた。チーム与四球はリーグで唯一300台の322。リーグワースト2位の防御率4・46の大きな要因になっている。

外国人選手の不振が、低迷の一因だ。安定して1軍にいるのはフランスアとピレラのみ。実績あるジョンソンは未勝利のまま、2軍調整中。抑えと期待されたスコットは開幕から2度の救援失敗などで先発転向も、わずか1試合の登板で2軍再降格となった。

助っ人が機能せず、劣勢での反発力も見せられないまま、首位巨人に屈した。借金はワーストタイの13で、9月7日以来の最下位に転落した。佐々岡監督は「乗っていけるように。とにかく1つ1つずつという気持ちでやっていくしかない」と前を向く。目の前の勝利を奪うだけでなく、広島らしさを取り戻すことも求められる。【前原淳】

<今季の広島外国人成績>

【投手】

クリス・ジョンソン 登板10試合、0勝7敗、防御率6・10

テイラー・スコット 登板7試合、0勝3敗、防御率15・75

ヘロニモ・フランスア 登板36試合、2勝3敗、5ホールド、10セーブ、防御率2・17

エマイリン・モンティージャ 登板1試合、0勝0敗、防御率18・00

D・J・ジョンソン※楽天に移籍。広島時代の成績 登板14試合、0勝0敗、1ホールド、防御率4・61

【野手】

アレハンドロ・メヒア 出場36試合、打率1割9分、2本塁打、4打点

ホセ・ピレラ 出場79試合、打率2割5分2厘、10本塁打、31打点