広島1年目の石原貴規捕手(22)が2号ソロを含む2安打4打点と存在感を示した。西武戦に「5番捕手」で先発。1点リードの7回に先頭で浜屋の直球を完璧に捉えて左翼ポール際へ放り込み、同点の8回2死満塁は右中間を破る決勝の3点適時三塁打で勝利に大きく貢献した。「打席の中で納得できるスイングができている」と胸を張った。

ウエスタン・リーグ前半戦は打撃面で苦戦が続いたが、後半にジワリジワリと状態を上げてきた。バットが遠回りしてしまう癖を修正し、「最短距離」をイメージして練習に取り組んだ結果、最後の2試合で3本塁打とパワーをみせつけた。東出2軍監督代行も「もともとパンチ力はある。相変わらずいいねずっと。続けてほしい」と評価した。

現在フェニックス・リーグでは5試合に出場し、11打数5安打の打率4割5分5厘、2本塁打、9打点と絶好調だ。1軍は正捕手の会沢、坂倉を中心に「打てる捕手」が多いだけに「打つ方でもアピールしていかないと目立たない。フェニックスでは3割、5本塁打ぐらいを目指して、高い目標を置いていけるようにやっています」と明かした。

1年目は1軍未出場に終わった。「どんどん1軍の捕手に割って入っていけるように、1つずつ自分の課題をクリアしていくのが大事かなと思います」。19年間カープを支えた石原慶が引退した今、次世代の「石原」が懸命にアピールを続けていく。【古財稜明】