ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)が23日、福岡市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸5億7000万円から4000万円増の6億1000万円プラス出来高でサインした。02年の巨人松井秀喜に並び、日本人野手史上最高年俸となった。来季は年俸変動制の7年契約2年目。全試合出場を目標に、1月は“温泉自主トレ”でケガに強い体を作り、チームの5年連続日本一を引っ張る。(金額は推定)

     ◇     ◇     ◇

今季打撃5部門でチームトップの数字をたたき出し、5年ぶり2度目のMVPも受賞。充実の1年を振り返る柳田は笑顔だった。「しんどいシーズンでしたけど、ケガなく最後までチームの一員として戦えたのがよかったです」。119試合に出場し、最多安打のタイトルも獲得。何より、チームの中心として3年ぶりのリーグV奪回、日本シリーズ4連覇を成し遂げられたことが大きかった。

名実ともに「令和最強打者」を手にした。昨年結んだ7年契約の4年目までは、前年の出来高が年俸ベースに上乗せされる変動制だ。球団日本人最高だった5億7000万円から、巨人松井に並ぶ日本人野手史上最高の6億1000万円までステップアップした。来季も今年に相当する成績を残せば、横浜佐々木主浩らの日本人最高6億5000万円超えも見えてくる。

そのためにも、重視するのが「全試合出場」だ。今季の欠場1試合は首の張りなどが影響し、打撃の調子が落ちたためだった。「反省して、外されないようにやっていかないといけない」。故障離脱こそなかったが、1年を通してコンディションを維持し続けることが好成績につながる。

秘策はある。1月は地元広島ではなく、佐賀の嬉野(うれしの)で自主トレを行う。新型コロナウイルスの影響なども考慮しての選択だが、「温泉が一番の決め手ですね」と笑う。「自主トレではトレーナーもいない。自分で回復できる能力も大事なので」。トレーニングの疲れを引きずらず、シーズン中も体調維持する力を養う狙いも“温泉自主トレ”に込めた。

来季は7年契約の2年目。「今年は最高な1年でしたが、また来年がすぐに始まる。一からケガに強い体を作って、またリーグ優勝、日本一を目指して頑張ります」。さらにレベルアップした姿で、チームを引っ張っていく。【山本大地】

▼柳田が初めて6億円に到達する6億1000万円で契約更改。日本人選手で6億円以上は7人目。野手では02年松井(巨人)に並ぶ最高額になった。パの選手では投手を含めても金子(オリックス)の6億円を上回る最高額。