阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(22=近大)が会心のツバメ斬り予行弾をかっ飛ばした、“プレ開幕”の神宮でのヤクルト戦で、推定130メートルの特大5号2ラン。執拗(しつよう)な内角攻めにも負けず、課題とされる内角球を完璧に引っ張り切った。ドラフト制後の新人5本塁打は1972年(昭47)の佐々木恭介(近鉄)以来49年ぶりのタイ記録。26日の開幕戦での1発再現にますます夢が膨らむ。

▼佐藤輝が2試合連続の5号。オープン戦で5本塁打した新人は72年佐々木恭(近鉄、19試合)以来、49年ぶり。ドラフト制後(66年以降)では佐々木恭に並び最多となった。

▼ドラフト制以前では58年長嶋(巨人)が19試合で7本塁打しているが、長嶋の5号は出場14試合目。佐々木恭の5号は出場18試合目の4月2日広島戦で、9試合目の佐藤輝は2人より早く5号に到達した。また、打率は2人とも2割台に対し、佐藤輝は3割7分5厘と高打率だ。同年の長嶋は公式戦でも29本塁打、92打点で2冠を獲得。打率も首位打者の田宮(阪神)の3割2分に次ぐ2位(3割5厘)の活躍だった。

▼本塁打5本はオープン戦1位で、打率(3位)、打点(3位)でもトップを狙える好位置にいる。オープン戦の3冠王は、65年以降で83年トレーシー(大洋)、93年メディーナ(広島)、04年岩村(ヤクルト)がいる。同年の岩村は公式戦でも自己最多の44本塁打、103打点、打率3割。佐藤輝が新人で達成なら史上初になる。