“ポスト中田”を巡り、日本ハムの若武者2人が本拠地ファンにアピールだ。今月上旬に西武から交換トレードで獲得した北海道厚岸町出身の佐藤龍世内野手(24)が2回、楽天田中将から移籍後初打席で初安打。さらに高卒3年目の野村佑希内野手(21)が、3回に先制弾、8回には一時勝ち越しとなる自身初の1試合2発で、次期4番に名乗りを上げた。

2人の共通点は、この日、巨人へのトレード移籍が発表された主砲、中田と同じ「内野手」で「長打力」が魅力という点だ。高卒3年目の野村は、23年の新球場元年に「開幕4番」を目標にし、公言してきた。一方の佐藤も、西武時代に“ポストおかわり(中村)”として期待されるなどパンチ力が武器。「バットを振れる内野手が本当に欲しかった」と佐藤獲得を喜んだ栗山監督は、移籍後初スタメンに起用した新しい背番号49に「とにかく思い切りバットを振れ」と、ハッパを掛けていた。

栗山監督が就任した12年から主に4番を張ってきた中田が去り、チームは新時代を迎える。指揮官は「違うものを作っていかないといけないというのは、分かっている」と、決意をにじませた。札幌から約300キロ離れた道東の漁師町から家族が応援に来ていて佐藤は「父も見に来ていたので良かった。毎日結果が出せるように継続していきたい」。同じように「これを継続していきたい」と口にした野村は「一流の人は、毎回毎回、こういうのをやっていると思うので、そういう技術を身に付けられるよう、やっていきたい」。2人の目は、ともに未来を見据えていた。【中島宙恵】

日本ハムニュース一覧はこちら―>