期待の育成ルーキー捕手が、夢舞台の切符をつかんだ。巨人喜多隆介捕手(23)が30日、支配下選手契約を結んだ。背番号は「027」から「94」に変更。昨年の育成ドラフト2位で京都先端科学大から入団し、1年目で支配下をつかみ「今年中の支配下登録を目指していたので、一番はホッとしているのと喜びが強い」と笑顔を見せた。

スローイングやブロッキングなどの守備力を評価され、春季キャンプは育成ルーキーで唯一の2軍スタートを切った。開幕後は2軍戦に出場しながら、現役時代には強打の名捕手でならした阿部慎之助2軍監督(42)から捕手のイロハを学んでいる。「捕手として出ていく中で、いろいろな人の人生もかかっている。巨人軍としての責任が強いと感じます」。投手の未来やチームの勝敗を左右する重要なポジションだけに、名門球団で捕手を務める責任の重さをあらためて痛感している。

イースタン・リーグでは46試合に出場し、打率2割3分4厘、1本塁打ながら、五輪中断期間中のエキシビションマッチでは3日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)で1軍戦初出場と初安打もマークした。それでも「技術的には1軍の方には足りていない」と、冷静に現状を見つめた。

チームは炭谷が7月に楽天にトレード移籍したため、喜多が6人目の支配下捕手となる。3人制をとる“1軍捕手枠”を巡る争いに挑むことになるが「もっと技術をアップして、今すぐではないですけど、1軍でマスクをかぶって試合で勝つというのを目標に頑張っていきたい」と先を見据えた。【小早川宗一郎】