日本ハム栗山英樹監督(60)が1日、試合前の札幌ドームで取材に応じ、今季限りでの現役引退を発表した斎藤佑樹投手(33)について「ああいう風な立場でプロに入って来て、苦しかったと思うし、大変だったと思う。苦しみながら絶対に諦めないで必死にもがき続けて前に進む姿を、見せる責任があると思っていた。それを、最後までしっかりやったということだけは、本当に一生忘れない。全力で1日1日歩めたということに『お疲れさん』と言ってあげたい」と、感慨深げに話した。

引退の決断を本人から聞いたのは「先週の大阪だったかな。火曜日か水曜日(9月21~22日)くらい」という。「『心の中で、けじめがついたのか?』ということだけは聞いた。佑樹の中で『こうなんです』というものが、はっきりあるならば、次に進んで行っていい。それが、大事だった。『未練なく、努力をやりきれたのね?』と」と、やりとりの一部を明かし「その時の、よどみとか曇りは、なかった」と、愛弟子の大きな決断を受け止めた。

監督就任1年目の12年。大卒2年目の斎藤を、開幕投手に抜てきした。斎藤はプロ初完投勝利を飾り、その年、チームはリーグ制覇。「(あの1勝は優勝に向けて)すごく大事なものだった。期待に応えて、よく投げきってくれた」と思い出を振り返り「佑樹の人生はこれからよ。これからなんだよ、本当の勝負が始まるのは」と、斎藤佑樹の第2幕に期待した。