今季限りで現役を引退する巨人野上亮磨投手(34)は、コントロールと投球術で勝負する己の投球スタイルを貫いた。

150キロの速球はなくても、カーブ、スライダー、チェンジアップ、フォークなど多彩な球種を交えながら、低めに両コーナーにボールを集め、アウトを重ねた。

かつては佐々木主浩、三浦大輔、内海哲也、山口鉄也らを指導し、名伯楽で知られる小谷正勝氏から「自分の投球をしっかりと理解し、勝負する投手」と評された。

打者を観察しながら、球種を選択するクレバーさも光った。ウイニングショットはチェンジアップだったが、時には大ピンチの場面で、ドロンとしたカーブを勝負球に使用。相手の裏をかく姿も印象的だった。

同い年で、西武、巨人でバッテリーを組んだ炭谷銀仁朗(現楽天)とのコンビネーションは抜群で、二人三脚で白星を重ねた。