今季限りで退任したソフトバンクの工藤公康監督(58)が27日、ペイペイドームで記者会見を行った。7年間で3度のリーグ優勝、5度の日本一に輝いた名将は、最も印象深いことにリーグ優勝と日本一を逃した16年の経験を挙げた。

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工藤監督は就任1年目の15年にリーグ優勝と日本一を達成。だが16年は最大11・5ゲーム差を日本ハムに逆転され優勝を逃し、CSで敗退した。「15年に優勝したとき、正直、勝って調子に乗っていたところもあったと思いますが、そういう中でも選手たちがいろんなことを教えてくれたことがぼく自身を変えるきっかけにもなりました」と語り、後の4年連続日本一につながるターニングポイントだったと明かした。

V逸した16年オフ、ひたすら沈思したことも思い返した。「勝てなかった悔しさの中から、自分自身で何が足りないのかを考えながらオフを過ごした。来季は自分自身の信念みたいなものをしっかりと持ってやらない限り、これを挽回することはできないだろうと。あのオフはすごく短いようで長く感じました」。

その経験も経て、17年には2年ぶりのリーグ優勝を奪回。「その1年はぼくにとって非常に成長できて、その中で選手とともに勝てたというのが非常に印象に残っています」と振り返った。