広島は15日、球団OBで今季まで阪神の育成コーチを務めていた高橋建氏(52)を、来季1軍投手コーチに就任することを発表した。広島には12年ぶりの復帰となる。マツダスタジアムで就任会見に臨み「プロとして初めて着たのが赤いユニホームだったので、また『カープのユニホーム着られるんだな』と喜びを感じています。身の引き締まる思いです」と話した。

高橋氏はトヨタ自動車から94年ドラフト4位で広島に入団し、09年に米大リーグのニューヨーク・メッツに移籍。10年に広島に復帰し、同年に現役を引退。野球解説者を経て、16年から阪神の2軍投手コーチを務め、今季限りで退団していた。

広島は今季守護神の栗林につなぐリリーフ陣を1年通して固定することができなかった。高橋氏は「(現役当時の)美学は完投というのがありました。もちろんそれは捨てずに7、8、9というところのピッチャーが確立しているチームの方が勝つ確率が増えると思う。そういうところは育てていきたいというか、手助けをしていきたい」と力を込めた。

カープの左腕は先発では床田、高橋昂、玉村の3左腕が台頭し、中継ぎではチームトップの54試合に登板した森浦や、塹江、高橋樹、フランスアがいる。さらにドラフト1位の関学大・黒原拓未投手(21)、同2位の三菱重工Westの森翔平投手(23)、新外国人ニック・ターリー投手(32=ホワイトソックス傘下3A)も来季から新戦力として加わるだけに、左腕が豊富となりつつある。

経験豊富なだけに、球団は左腕の手本としても期待している。新左腕王国形成へ、強力な“助っ人左腕”が加わる。

◆高橋建(たかはし・けん)1969年(昭44)4月16日、神奈川県生まれ。横浜-拓大-トヨタ自動車から94年ドラフト4位で広島に入団。09年にニューヨーク・メッツ、10年に広島復帰。日本で実働15年、459試合、70勝92敗5セーブ、防御率4・33。現役時は184センチ、90キロ、左投げ左打ち。

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