巨人が原辰徳監督(63)と「3年」契約を結んだ。常勝軍団の再構築はもちろんだが、球団の狙いは「指導者の育成の完成」にもある。

この日に発表された1軍首脳陣には阿部、村田、実松、山口、亀井ら指導者歴4年以下の若きコーチ陣が並んだ。今季は故障者が続出し、打率10傑はゼロながら、3位でCS進出は果たした。再び常勝軍団を構築するには、個々の能力の底上げが責務になる。現役選手に年齢的に近く、情熱ある若き指導者たちが、原監督の指導を受けて自分を磨きながら選手を育てるには3年は十分な時間になる。

そのためにも「野手総合コーチ」を廃止し役割を明確化した。原監督は「『総合』とか誰しもが教える力をもっているという信用、信頼というものから入り、少し役割というものを大きくさせてしまった。それによって選手たちも少し迷わせてしまうこともあったかな」と説明した。担当を細分化させ、コミュニケーションを円滑にさせる。

第2次原政権は06年から15年までの10年間で、6度のリーグ制覇と2度の日本一を達成した。長期政権の強みを生かし、選手も首脳陣もここからの3年で成熟期を目指す。【浜本卓也】