マスターズ甲子園2021が4日、兵庫・西宮市内の甲子園球場で行われ、修徳(東京)OBで元広島投手の遠藤竜志さん(45)が聖地のマウンドに立った。2回に登板。2死から右越え三塁打を浴びたが、後続を断った。「久しぶりの野球で緊張したけど、楽しかった」と振り返った。

97年ドラフト1位でNTT関東から広島に入団。長身の187センチ右腕で、99年にはプロ初勝利など2勝を挙げ、28試合に登板した。「(甲子園は)22年ぶりです。桧山さんにホームランを打たれたのは、いまだに覚えています。甲子園で初マウンドで打たれたのが桧山さんだったんです」。93年に夏の甲子園大会に出場。背番号「15」を背負ったが1学年上の高橋尚成が君臨して、登板機会はなかった。

いまは都内で会社員として勤める中、かつてともに戦った仲間を心にとどめてきた。古巣の広島が16年から3連覇。「新井もいたし、黒田さんも一緒にやっていました。大した活躍をできなかったですが、一OBとしてうれしかったです」。当時のベテラン新井貴浩は同い年だ。この日は1回無失点。「何とかストライクを投げられて良かった」。足を高く上げ、力強く踏み込む。何度も空振りを奪う。生きてきた軌跡が表れていた。【酒井俊作】