元阪神高野圭佑投手は台湾経由で吉報を待つ。19年のシーズン中にトレードでロッテから阪神に移籍したが、翌20年オフに戦力外。新庄BIGBOSSとともにトライアウトを受けた。今季は台湾プロ野球の中信兄弟でプレー。「1年間海外でプレーしてきましたけど、1日たりともNPBを忘れたことはない。もう1回どこかのチームに入って投げて活躍したい気持ちで来ましたね」と熱く語った。

台湾では視野が広がったと実感する。「アメリカ人コーチが2人ついてくれたし、元ヤンキースの王建民さんと野球の深い話を毎日していた。どのタイミングでフォークを投げるとか」。日本に帰国後はトライアウトに向けて調整を行ったが、決して恵まれた環境ではなかった。2週間の隔離期間は自宅で調整。「ウエート道具もないので、ペットボトルを袋に詰めてトレーニングとかしていましたね」と明かした。

この日は台湾で磨いたスプリットですべて空振り。中日武田からフォークで空振りを奪う場面もあった。「みなさんが見てくれる場で投げられることに本当に感謝してマウンドに上がりました。楽しかったです」と振り返った。【林亮佑】

★高野へのBIGBOSS評価「真っすぐはそんなにスピードはなかったけど、芯を外すカットボールが面白いかなと思った。台湾まで行って修業してきて、また戻ってきて。彼も(トライアウト参加は)ラストだと思うけど、そういう気持ちは結構、僕は大事にしたいタイプ。しっかりマウンドにも、僕たちにもあいさつをして、ああいう人間性は大事だと思う。ああいう姿勢は、ユニホームを脱いだ後でも必ずプラスになると思う。去年より球のキレは全然よかった」

◆高野圭佑(たかの・けいすけ)1991年(平3)12月28日、広島県生まれ。呉工-四国学院大-JR西日本を経て、15年ドラフト7位でロッテ入団。19年7月、石崎とのトレードで阪神移籍。20年11月に戦力外通告を受けた。通算45試合で2勝0敗3ホールド、防御率6・62。今季は台湾プロ野球の中信兄弟に在籍。178センチ、85キロ。右投げ右打ち。