ロッテ古谷拓郎投手(21)が8日、来季の契約更改を済ませた。

契約中も会見中も、ZOZOマリンの外では雨が降っていた。晴れ予報の隙間を狙ったかのように、ピンポイントの傘マーク。昨季は3度、先発予定が雨で流れ「雨古谷(降るや)」と呼ばれた。

雨雲に覆われたのは、2月の石垣島キャンプ終盤のことだった。動画撮影なども駆使してより良いフォームを追求する古谷が、明らかにフォームを崩しているように見えた。

「キャンプインから思い通りにいかないシーズンで、夏くらいまでそういう状況が続いて。投げない時期はなかったですけど、試行錯誤の1年だったと思います」

そう振り返った。トレーナーにアドバイスを求め、整体にも通い、体もフォームも一から作り直した。でも、光もあった。

「ラッキーだったというか、タイミングがすごく良かったなと思います」

2軍浦和球場での調整中に、手術を終えた石川歩投手(33)と一緒に練習する機会が多くなった。たくさんのアドバイスをもらい、忠実に消化し、現在の投球フォームは石川によく似ている。「似せてるわけじゃないんですけど」と言いながら、腕を全力で振らずとも力強い直球を投げられるようになった。「今までと違う感覚です」と喜ぶ。

ケガの光明で自信を取り戻したが、来季は大学4年生の年。そろそろ結果も欲しい。「1年間ケガせずに投げきることを一番に考えて、その中で1軍でしっかり活躍できるように」。青空の下で笑いたい。【金子真仁】