日本ハム宮西尚生投手(36)のブルペン投球に潜入した。18日、沖縄・名護で“対戦”したのは武田投手コーチだ。球審付きで1球ごとにストライク、ボールを判定する実戦想定の投球は左右で4打席。全て5球でフルカウントとなり、3打席で“見逃し三振”だ。意図してフルカウント勝負をしていたのだろうか-。

宮西 意図してではない。でも、四球を出さないように全部の球を使う感じ。際どいところを投げ続けるので、おのずと(カウント)3-2になる。

カウントを自らコントロールできるほど、現段階で全球種を自由自在に操れていた。例年よりも仕上がりは早い。ボール球も試合なら空振りやファウルを誘える絶妙な制球ばかり。球の力強さもあった。武田投手コーチも何度もうなる極上の投球が続いた。

宮西 基本的には投げたいところに全部投げられているのかな。あとは右(打者)のインコースのスライダー。精度を上げられればいいかなというくらいのレベルに入っている。

不調だった昨季終了直後と春季キャンプ直前の2度、炭水化物の摂取を抑える「ケトジェニックダイエット」を実施。今年で37歳となる肉体をつくりなおしたことで「すごい体のキレがいい」と手応えがある。

雨で流れなければ、この第5クール中に今季初の実戦登板を予定する。捲土(けんど)重来を期す鉄腕が順調に調整が進んでいると、この日のブルペンが証明していた。【木下大輔】