4番が待望の一発で決めた。ヤクルト村上宗隆内野手(22)が20日、西武とのオープン戦(ベルーナドーム)で、オープン戦1号となる勝ち越しソロを放った。

同点の9回に西武増田の変化球を捉えた。オープン戦はここまで15試合で本塁打なしと鳴りをひそめていたが、開幕まで1週間を切って照準を合わせてきた。

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51打席目で待ちわびた快音が響いた。同点の9回1死、村上は1ストライクから137キロのフォークを拾い上げた。視線の先で打球が右翼席最前部に吸い込まれる。「ちょっと(バットの)先だったんでドライブがかかってましたけど、入ってくれるかなと思ってました」。ダイヤモンドを1周するのは久々だった。

オープン戦に入ってから15試合、1発が出なかった。長打は二塁打が2本、三塁打が1本。打率も思うように上がらない。「1試合1試合、いろんなことを感じながらやっていた。それがやっとうまくはまったなというか、結果としていいもの出たなと思いました」。バットやフォームを微調整して試行錯誤を続けた。

今年は昨季までより、グリップ位置を下げて構えていたが、今カードから以前の位置に戻した。「そっちの方が自分の悪い癖だとか、いろんなところでプラスに働くかなと思って。少し高く上げましたね」。打ちやすさを求めた結果、慣れた高さに落ち着いた。

昨季は不動の4番としてチームを日本一に導いた。高津監督は「何本打ってほしいとか、何打点してほしいとか、数字は決めてません。1年間143試合すべて4番としてね、ラインアップで出てほしい。それはクリアしてほしい」と話す。同じ高みを目指す上で、村上に求めるのは打線の核に座り続けることだ。

キャンプインは2年連続の新型コロナウイルス感染でスロースタートを余儀なくされた。それでも2月後半には、志願して対外試合出場を早めてもらうなど、自分なりにピッチを上げてきた。「徐々にですけど、ある程度シーズンに向けて、いい状態で迎えてるかなと思います」。試合を終盤の一振りで決めた。オープン戦は残すところ1試合のみ。開けた視界で開幕戦に立てそうだ。【鎌田良美】

◆村上の甲子園 九州学院1年の15年夏に出場。初戦の遊学館戦で三ゴロ、三ゴロ、中飛、二ゴロの4打数無安打に終わったが、1年生から4番に座った。同年の熊本大会6試合では初戦の東稜戦で初打席満塁本塁打を放つなど、チームトップの8打点を挙げた。