広島の球団史を彩った往年の名選手による「カープレジェンドゲーム」が21日、マツダスタジアムで開催された。

金本知憲氏も出場し、在籍していた02年以来、20年ぶりにカープのユニホームに袖を通した。惜しくも試合で3打数無安打、本塁打競争は柵越え0本に。それでも1万6000人の観衆は赤いユニホームを着た鉄人のスイングに大いに沸いた。

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金本氏が背番号10を身にまとい、マツダスタジアムに登場した。老若男女、色とりどりの声援が沸く。それぞれが1日限りの姿を記録しようと、カメラを構えた。着用していたのは89~95年モデルの左胸に「C」のロゴが入った復刻ユニホーム。ルーキーイヤーの92年からデザイン変更された95年まで4年間、袖を通したものだ。「2度と着ることはないだろうなと思っていた。懐かしい。20年ぶりだから、本当に新人のワクワク感を思い出す」。数々の鉄人伝説の礎をつくった、原点のユニホームに、金本氏自身も感慨深げだった。

試合前、新井貴浩氏らと本塁打競争に出場。「新井には負けません。負けるわけがありません。新井に勝つだけ」と気合十分だったが、10スイングで柵越えは0本。試合には「3番左翼」で出場。1回1死一塁では黒田博樹氏と対決した。逆方向へ強いゴロを打ち返したが、三塁新井氏の華麗なハンドリングに阻まれるなど3打数ノーヒット。通算476本塁打、通算2539安打を誇った金本氏は、それでも「声援をもらえたことにすごく感謝している。(広島は)生まれ故郷で、育った過程なのでね」。温かい声援に感謝しきりだった。

1492試合連続フルイニング出場、1002打席連続無併殺打…。あまたの伝説を築いた「レジェンド」の1日限りの赤いユニホーム。世代を問わず、多くのファンが当時に思いをはせ、特別な時間を共有していた。【前山慎治】