広島ドラフト6位の末包昇大(すえかね・しょうた)外野手(25)がプロ初本塁打となるソロを放った。

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同点の5回1死で、中日笠原祥太郎投手(27)の低めカットボールをとらえた。左中間方向に大きな打球が放たれた。「泳ぎ気味だったが手応えは良かった。(バンテリンドームは)広さがあるので『入ってくれ~』と思って」。願いを乗せた白球はフェンスを越えた。プロ21打席目で待望の1発に「思ったより早く打てた。なんとかチャンスをつくろうと思って打ちにいった結果、本塁打になって良かった」。一時は勝ち越しになったソロ本塁打に笑顔を見せた。

オープン戦はプロの投手と対戦し、苦しんだ。16試合すべてに出場したが打率は1割7分7厘。それでも期待を込めて、開幕右翼に選ばれた。「悪いところは全部出た」と切り替えて、初シーズンを迎えた。DeNAとの開幕戦(横浜)で、いきなり4打数3安打の猛打賞発進。広島では58年の古葉と森永以来64年ぶり3人目の記録を打ち立てた。シーズンに入り、勝負強さを発揮。ドラフト指名は6位だが、欠かせない戦力の1人になりつつある。

チームはカブスに移籍した鈴木誠也外野手(27)の穴を埋めるべく、連日奮闘している。末包もポスト鈴木の候補の1人だ。「移動だったり全然経験していないことが多いので、慣れない部分はある。ただ、思ったほど疲れはきていない。まだまだ頑張れる」。長距離砲として期待される即戦力スラッガー。当初期待された4番こそ譲ったが、恐怖の7番打者として、存在感たっぷりだ。【前山慎治】