若鯉の力投で、広島が9日ぶりに首位に返り咲いた。プロ5年目の遠藤淳志投手が阪神戦に先発し、7回2/3を5安打無失点の好投。20年11月4日巨人戦以来、522日ぶりの白星をつかんだ。「ホッとしている。うれしい気持ち。周りの人が支えてくれてここまで来られた」と安堵(あんど)の表情を見せた。

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高卒3年目の20年に5勝を挙げ、将来の主戦投手への期待が高まった。しかし昨年は2試合の先発で未勝利。4月22日が最後の1軍登板で、2軍生活が続いた。「俺、何やってるのかな」「このまま終わってしまうのかな」と不安が募った。それでも耳に残る声援が右腕の背中を押し、開幕ローテーション6人目に滑り込んだ。「また大歓声の中で投げたいという気持ちがずっとあった」。中継ぎで34試合に登板した19年の記憶が原動力となった

8回の降板時には左翼席のファンから大きな拍手を受けた。「胸にジーンと来るものがありましたね」。久々の心地に感慨に浸った。23歳右腕の快投に、佐々岡監督は「今年の遠藤は春から違うものを見せてくれている。キャンプでもずっと良かった」と絶賛。2年ぶり勝利は通過点。若い力が快進撃のチームの推進力だ。【前山慎治】