初めての甲子園のお立ち台。阪神小野寺暖外野手(24)は「こんな風景なんだ」と感慨にふけった。

背番号97がまた満塁で大仕事をやってのけた。

1点リードの8回。2死満塁で代打で登場。直球を強振するとライナーが右中間へ。三塁でガッツポーズを決めた。3人をかえし、リードを4点に広げるプロ初の三塁打だった。

4月21日のDeNA戦(横浜)で逆転の代打満塁本塁打。ド派手な活躍をしたのに再逆転された。今度は本拠地甲子園で勝利に貢献した。「興奮であまり歓声が聞こえなかったけど、守備につく時、味わったことがない歓声だったので、とてもうれしかった」。

打った相手は元阪神の谷川だった。小野寺が2年目の昨年4月に金銭トレードで日本ハムへ。阪神には、谷川が活躍できる場の確保と、強化ポイントだった右打ち野手のために枠を空けたい事情があった。その「右」こそが、当時は背番号127の小野寺。すぐ翌日に支配下昇格を果たした。「背番号も変わって、いい姿を見せられたと思う」と先輩に頭を下げた。

一緒にお立ち台に立った大山は自主トレをともにする師匠だ。「見習うことがたくさんある。大山さんのようにチームを勝たせる選手になりたい」。ムードメーカーで、屈指のいじられキャラ。優等生的な発言に大山から「ちょっと、うっとうしいです。猫かぶってます」と言われ、場内の爆笑を呼んだ。「チームは今絶好調でベンチの雰囲気もいい。このままいい雰囲気でつなげられるようにしたい」。上昇気流のチームに小野寺の存在も欠かせない。【柏原誠】

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