首位チームを襲う感染拡大が止まらない。ソフトバンクは29日、甲斐野央投手(25)とスタッフ3人の計4人が、新型コロナウイルス陽性判定を受けたと発表した。感染者は18人に増加。29日の本拠地ロッテ戦に続き、7月1日の敵地西武戦も中止の可能性が出てきた。大幅な戦力ダウンに藤本博史監督(58)は森や笠谷、渡辺を緊急昇格させ、育成2年目の中村亮太投手(24)も支配下登録するなど、懸命のやりくりを続ける。

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チームに渦巻くコロナの猛威が止まらない。この日は本拠地ロッテ戦が中止となり、1軍の選手、コーチ、スタッフ全員がPCR検査を受検。新たに甲斐野の他、スタッフ3人の陽性が確認された。前日28日までに和田、グラシアル、嘉弥真、藤井、甲斐、デスパイネらの主力が陽性判定を受けたが、今度は160キロ右腕が離脱。1軍の陽性者は18人にまで膨れ上がった。

当初は7月1日からの西武3連戦(ベルーナドーム)に向けて前日の前乗りを予定していたが、新たな陽性者が出たことで、30日の移動は見送る。PCR検査で全員の陰性が確認できない限り、この先も移動はできない。仮に30日に全員陰性判定が出なければ、7月1日の検査結果も当日午後にしか出ないため、同日の西武戦は中止になる可能性がある。この日、藤本監督はオンライン取材で「コロナは誰がかかっても仕方ない」と受け止めたが、首位チームに吹く逆風がまったく収まらない。

指揮官も試合ができることを願い、戦力ダウンを少しでも補うべくやりくりに奔走した。育成2年目右腕の中村亮を近日中に支配下登録することが判明。右の長距離砲として育成の黒瀬健太内野手(24)の支配下復帰も視野に入れている。黒瀬は2軍で打率3割2分7厘、5本塁打、14打点と好調。小久保2軍監督もこの日「(調子は)断トツにいい。藤本監督にも話した」と太鼓判を押した。チームは活動停止中だが、再開後には中継ぎの森と笠谷、捕手の渡辺を昇格させる方針。藤本監督は「今いるメンバーでしっかりやっていきたい」と言葉を振り絞った。

30日も1軍は早朝からPCR検査を受ける。25日に村上打撃コーチが陽性判定を受けてから、わずか5日間で急激に感染は拡大した。目に見えない敵と戦うパ・リーグ首位の藤本ホークス。1日も早い収束を祈るばかりだ。【只松憲】

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