広島先発陣が8日、マツダスタジアムで調整を行った。見守った高橋建投手コーチ(53)は残り40試合となったシーズン終盤に向け、中継ぎ陣のフル稼働を示唆。7日阪神戦で、2点ビハインドの9回に登板した守護神栗林も例外ではない。

3ゲーム差離されたクライマックスシリーズ出場圏内の3位以上を目指し、総動員で戦っていく。

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暑さのピークを避けるように、先発投手練習は午前中に行われた。床田に続き、アンダーソンも離脱となり、出場選手登録抹消中の野村が1軍に合流。再登録が可能となる11日ヤクルト戦の先発が見込まれる。14日巨人戦は、2軍からアンダーソンの代役を立てることになる。シーズンは残り40試合。調整を見守った高橋投手コーチは先発にもうひと踏ん張りを期待しつつ、中継ぎ陣にフル稼働指令を出した。

「中継ぎ陣の試合数が確実に他球団より少ない。バランスで言うと、中継ぎ陣のフル回転は考えていいのかなと。1、2カ月くらいだったら、頑張ってもらうのも可能かと思っている」

勝率5割から始まった後半戦はここまで1勝7敗。クライマックスシリーズ出圏内の3位に3ゲーム差の5位に後退した。前半戦フル回転した先発陣が後半戦に入り、試合をつくれていない。後半戦の先発防御率は6・88。責任投球回を投げ切った先発はわずか2人しかいない。

一方、広島中継ぎ陣の総投球回は300回1/3にとどまる。1試合平均では2・9回となり、阪神に次いでリーグ2位の少なさだ。さらに登板機会を明確に分けてきたことで負担は分散。栗林と松本のチーム最多33登板も、リーグでは22位タイだ。それでも7日阪神戦では栗林を今季初めてビハインドの展開で登板させた。登板間隔が空いた影響もあるが、高橋投手コーチは「ちょっとしたメッセージかもしれない」と監督の意図を感じている。

上位浮上へ向け、疲れの見える先発陣をカバーするのは中継ぎだけではない。7日阪神戦後、佐々岡監督は「今、投手がこういう状況なので、野手でカバーして欲しいところではある」とマクブルーム、西川が復帰した攻撃陣の援護にも期待する。まずは9日から首位ヤクルト戦。総力戦で難局を乗り越える。【前原淳】

○…10日ヤクルト戦での先発が見込まれる九里は攻撃的な投球を貫く。4日のDeNA戦は、4回途中まで好内容の投球も、降雨のためノーゲームとなった。今季4度対戦して7本塁打を浴びる首位球団相手にも、攻めの姿勢は崩さない。「走者がいないときは大胆に攻めていきたいし、慎重に行くところは慎重に。その辺は試合の流れとか、打者の反応を見ながらできればいいかなと思います」。6月2日の日本ハム戦以来の先発白星を目指す。

○…野村が1軍に合流した。この日の先発練習に参加。11日ヤクルト戦(マツダスタジアム)の先発が見込まれる。前回7月31日中日戦で5回途中2失点で降板。翌日に出場選手登録抹消も、最短での復帰となる。首位球団相手に「しっかりやるだけ。長打がすごくあるチームで、機動力もある。走者をためないことをしっかりしたい」と意気込んだ。9日ヤクルト3連戦初戦は森下。2戦目は九里の先発が見込まれる。

○…ヤクルト3連戦初戦を任された森下は、投球回を意識する。先発陣の早期降板が続き、自身も前回2日DeNA戦は4回降板。「何とか長いイニングを投げたいなと思っています。(前回登板は)ちゃんと切らないといけないところでアウトが取れていない。そういうところをもう1回見直して、やっていきたいなと思います」。今季1勝1敗の燕を封じて、チームを勢いづけたいところだ。